「帰ってきても、仕事ないよ」、「働けるなら、アメリカ残れば?」、
「不景気で、みんなリストラされてるくらいだからね」。
国際電話の向こうから、日本にいる友人は例外なく、そう言いました。4年半ぶりに日本に帰国しようとしている私にとって、あまり希望の持てる話はありません。
しかも、帰国する際、10万円ほどの現金しか持っていない私とって、不安要因は
山ほどです。 帰るアパートや実家(震災で全壊)もなければ、両親や彼女もいない。就職先や収入源もなければ、当面の生活費もない。
帰国前の3週間まで、成田空港に到着した後、どこに行くのかも決まってませんでした。まるで、パラシュートなしで、3,000メートル上空からスカイダイビングするようなものです。
それでも、アンソニー・ロビンスから学んだNLPのお陰で、いつでも、どこでも、どんな時でも、自分の恐れるものにではなく、求めるものに意識を向けることができました。
この不況下、友人たちが、帰国せずアメリカで仕事を探せという中、
(実際、私さえ望めば、シカゴのインターン先で就職できた)
「どうして、この不況のなか、帰国するのだろう?」
「この不況で、だれが私を雇うだろう?」ではなく、
「不況だからこそ、何が、もっとも必要とされているだろう?」
「不況だからこそ、今、活かせる私のスキルはなんだろう?」
「不況だからこそ、みんなが何を求め、何にお金を払うだろう?」
そう自分に問いかけてみると、すぐに、ユニクロや100円ショップ、企業への派遣業などが目につきました。
様々な困難の中、しかもNYテロの直後、帰国することに全く躊躇や不安がなかったといえば嘘になります。それでも、「何が可能だろう?」、「どうすればできるだろう?」、そう自問し始めたころから、いろんな人に助けられるようになりました。
ちょうど私の帰国と同時期に、石川県から首都圏に引っ越してくる友人が、私のためにルームシェアができるよう、一軒家を借りてくれました。また、アドラー関係の友人が、私のコーチングに興味を示し、スポーツ教材の営業をしているお兄さんを紹介してくれました。帰国後10日ほどにもかかわらず、彼が日本での第一号クライアントになりました。
日本に帰って、最初にした問いかけは、「今の日本での現状をふまえて、それでも、もし、岩井さんと協力して、何かみんなが必要としているものを創りだせるとしたら、それは一体なんだろう?」でした。その問いに答えるように、岩井さんの支持(師事)を得て、ヒューマン・ギルドにコーチングとNLPのセミナーが生まれました。
これを書いている今、コーチングのクライアントが、私のために選曲して送ってくれたMDを聞いています。彼女は3年間引きこもりをしていて、ほとんど家を出たことがありません。ずっと電話だけで、面識もない私に、少しずつ自分の夢について語り始めます。自分の好きな音楽とファッションの夢を。はじめて聞く洋楽ばかりだけど、なぜだか、こころ動かされて、涙が出そうです。なぜだか、いままで私を支えてくれた人たちが思い出されてきます。
私に家や仕事を与えてくれた人たちばかりでなく、こうして心ひらいてくれる少女にも、私は支えられているのだと。ありがとうって感じです。
「感謝している時、不安は消えます。感謝している時、不運は消えます。感謝している時、みんなとつながっています。感謝している時、あなたは変わるのです。そして、その気持ちで、ただ歩くだけでも、周りの人は気づきます」
アンソニー・ロビンス

