【vol.2】 岩見純一さん
2004.11
第2回目は、岩見純一さんをゲストにお招きいたしました。
外国映画・テレビ番組の日本語吹替版制作で演出を担当されている岩見さん。演技指導への応用を考え、コーチングを少し勉強されたこともあるとか。映画や画像に置き換えた質問によってイメージが大きく膨らんでいった今回のセッション、平本流の真骨頂が発揮されています!
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岩見 純一 (いわみ・じゅんいち)さん
1961年千葉県市川市生まれ 岡山県倉敷市育ち
ACクリエイト株式会社 取締役
(外国映画、テレビ番組、ゲームソフトの日本語版制作)
http://www.ac-create.co.jp
岩見さんの演出作品【04年11月現在】
●劇場作品
『スパイダーマン』 『スパイダーマン2』 『ガーフィールド』 『ターミネーター3』 『メン・イン・ブラック2』 『トリプルX』 『ボイス』
●ビデオ・DVD作品
『ブラザーフッド』 『フォーチュン・クッキー』 『アバウト・ア・ボーイ』 『ダイ アナザー デイ』 『春の日は過ぎゆく』 『バーバー』 『グリーン・デスティニー』 『初恋のきた道』 『あの頃ペニー・レインと』 『JSA 共同警備区域』
『メメント』 『ブレイブハート』 『デスペラード』 『セブン』 『リービング・ラスベガス』
●放送作品
『白雪姫』 (NHK総合) 『リジー&Lizzie』(ディズニー・チャンネル) 『スパイダーマン(アニメ)』(日本テレビ、AXN)

(1)導入対談:日本語吹替え版の演出について
秋晴れの気持ちよいある日の夜。表参道の平本オフィスに岩見さんがいらっしゃいました。ふたりは挨拶もそこそこに、早速「映画」の話で大盛り上がり。
平本:日本語吹替版の演出というと、具体的にはどんなお仕事なんですか?
岩見さん(以下敬称略):翻訳原稿の手直しをしたり、それぞれの役に合わせて声優をキャスティングし、スタジオに集めて演技指導をしながら録音していきます。
平本:制作において、どんなことを心がけていらっしゃいますか?
岩見:オリジナルに忠実でいることですね。実は私、吹替版って嫌いだったんです。日常会話では絶対使わない話し言葉が出てくるじゃないですか。「〜だわ」とか。あれがどうしても苦手だったんです。他にも俳優のイメージと吹替えの声に差があるとか、俳優の口の動きと台詞があっていないとか、違和感のある場面が多いですよね。なので、私はできるだけ違和感なく観てもらえるように心がけています。
平本:そうなんですか。たとえば「これは難しいな」という脚本もあるんですか?
岩見:ありますよ。そのときは、自分ひとりで感情こめて翻訳原稿を一通り読むんです。自分で演じながら読んでいくと、いろんなことがわかってくるんですよ。あ、ここの台詞は言いづらいな、こう変えたほうが分かりやすいな、とか。
平本:実際、声優さんに演じてもらうとき、「言いづらい台詞」はあるんですか?
岩見:ええ。そんなときは話し合って聞き出していきます。どこがだめで、どうしたい?というふうに。その点で演出の仕事はコーチングに似ている部分があると思います。それで実は、コーチングのワークショップに参加したこともあるんですよ。
映画の裏話で盛り上がりながら…

平本:声優さんには個別で指導していくのですか?
岩見:日本ではスタジオに声優を全員集めて録音するのが主流ですが、個別にひとりずつ録音して後で重ね合わせるという方法もあります。掛け合いがないので演じにくい部分もありますが、細かく演技指導できるでしょうね。
平本:もしそうできたらどうですか?いいもの作れそうですか?
岩見:素晴しいものが作れるでしょうね。
平本:どの点が素晴しいと「いいもの」と言えるのでしょう?
岩見:台本とキャスティングが思い通りにいき、俳優のイメージと自分の意図するものが重なったときは素晴しいものになりますね。また、現場の雰囲気が和やかで、真剣だけどリラックスしているときも「いいもの」に仕上がることが多いです。今お話しながら、私のしていることは「映画作りと変わらない」と気づきました。まるで「日本版の実写」を作るような感覚かもしれません。
平本:今のお仕事を始められたきっかけは?
岩見:先輩に誘われたのがきっかけです。たまたま電話がかかってきて・・・。翌日から私は家を出て友人の家に転がり込む予定だったので、もし電話が別の日にかかっていたら、今この仕事をしていなかったでしょうね。まさに運命の電話でした。
平本:ということは、「ぜひ」ではなく「たまたま」就いた仕事なんですね。ところで、子どものころから映画は好きでしたか
岩見:はい。よくテレビで「洋画劇場」なんかを観ていました。それでも、仕事になったらいいなぁ・・・ぐらいにしか思っていませんでしたけれど。
平本:実際仕事として演出に携わるようになって、いかがですか?
岩見:当初はビデオ、その後DVD、たまにテレビ版を作っていたのですが、一生懸命作っても観客と一緒に観ることがないんです。2002年に劇場で『スパイダーマン』の吹替版が上映されたとき、初めてスクリーンで観客と一緒に観たのですが、そのときに面白さが変わりましたね。
平本:どんなふうに?
岩見:思いがけないところで笑いが起きたり、たくさんの人と観ていると反応も違ってきたり。ああ、これはやりがいがあるなあと。
導入部分ですっかり打ち解けてリラックスムードになったふたり。ここからいよいよ、本題のコーチングセッションに入っていきます。
ここで、「今岩見さんが一番話したいことをセッションしましょう」という流れになりましたが、会社内部に関わるテーマの為、詳細はダイジェストでお伝えします。

