【vol.7】 ダーシャン・ナドーさん
2005.9
第7回目は、ソリス株式会社のダーシャン・ナドー社長をゲストにお招きいたしました。ヒッピーの島で生まれ、アメリカで育ち、日本での留学生活と就職を経て、20代にして日本で起業したダーシャンさん。実は以前に一度、平本のコーチングセッションを受け、大きな成果を出されています。今回はその時の模様を振り返りながら、その後についてのコーチングも経験されました。さあ、どのような展開になるのでしょうか・・・?!
![]()
ダーシャン・ナドーさん
1973年生まれ
95年に埼玉へ留学、その後98年には再度京都へ留学を果たす。
その後東京で人材関係会社に就職しトップ営業マンとなる。
01年にはソリス株式会社を設立。
2005年8月、GMOインターネット株式会社に会社を売却、現在下田に大好きな海と自然を満喫する毎日を送っている。

(1)導入対談
■前回のセッションダイジェスト
6月のとある暑い日。ダーシャンさんは平本のコーチングセッションを初めて経験され、大きな感動と決意をされました。まずはその内容をダイジェストでお伝えします。
初めてのコーチングに戸惑った様子のダーシャンさんに、平本は「タイムライン」を提案。この対談コーナーでもおなじみの、生まれたときから現在・未来の自分を振り返る手法です。タイムラインを通して、現在を通過し、未来を感じることになりました。
ヒッピーの島で生まれたダーシャンさん。小学校へ入学と同時に町に移り住み、子ども時代は臆病でおとなしい少年だったそうです。中学生になると水泳に没頭。体も大きくなり、活発な少年へと変身していきます。
ちょうどその頃、お父さんが「家を自分の手で作る」というチャレンジを始めました。ダーシャンさんも見よう見真似で大工仕事を手伝う日々。一番遊びたい盛りの時間を「家作り」に費やし、その腕はプロ並みになっていきました。高校を卒業してからは家作りで身につけた技術を活かし、あちこちで工務の仕事をこなします。
山へ行き材木を切り、建物を作っていく。それは想像以上に辛く、大変な毎日だったとダーシャンさんは語ります。ある程度自分でお金を稼ぐようになると、ダーシャンさんはそのお金で「大学進学」を目指すようになります。家を出て一人で暮らしたい、それが動機でした。これまで家のために働き続けてきたダーシャンさんにとって、自分のしたいことに向かう第一歩となったのです。
寮制の大学へ入学すると、そこはもう「パラダイス」。同年代の友達に囲まれた楽しい生活、そして何より仕事からの開放感!ダーシャンさんは大学生活を満喫し、学生生活を長く味わっていたい一心で留学を考え始めます。そして通っていた学校の兄弟校である埼玉県の大学に留学することが決定しました。初めはホストファミリー全員が英語を話せないこともあり、不安で寂しい日々でしたが、子ども達と触れ合うことで日本語を磨き、充実した日々の中で絆を築いていきます。帰国の日にはホストファミリーの息子さんがダーシャンさんにくっついて、一緒に飛行機で渡米したほど。こうして日本に愛着を感じるようになったダーシャンさんは、再度日本へ留学を決意し、京都での生活を始めます。
ここでもさまざまな文化に触れながら日本の新たな側面を知ったそうです。楽しかった京都での留学生活も終わりに差し掛かったころ、知人からの「ある誘い」がダーシャンさんの運命を大きく変えることになります。
「東京で働いてみないか」―。
ダーシャンさんは異国の地、そしていまだ生活をしたことのない東京の街で、人材関係の会社へ就職することを決意します。
美しい金髪とブルーの瞳。そして堪能な日本語。営業先の企業ではそのインパクトとギャップからか、面白いほど契約をとりつけ、あっという間にトップ営業マンになりました。忙しいながらも充実した生活。やりがいのある仕事。たくさんの仲間・・・。ところが、その生活が一変します。それは、「起業」がきっかけでした。
ある日同僚が発した「前にいつか起業して自分の会社をつくるって言ってたよね。まだしないの?口だけだったの?」という言葉。ダーシャンさんはこれに発奮し、会社を辞め、本当に自分の会社を設立してしまいました。事業内容はまさに自分が苦労している「会社設立のサポート」。休む暇もなく、仕事漬けの日々。
心身ともに極限状態にまで追い詰められながらも、ようやく会社は成長し、安定してきました。今では、ドメイン登録を専門とした事業を運営し、国内ドメイン名のみならず世界中でのドメイン名の登録サービスを展開することでシェアを大きく伸ばしています。
・・・と、ここまでがダーシャンさんの過去。そして、タイムラインの「現在地」にダーシャンさんが立ちました。
平本:これまでを振り返ってみて、どんな気分ですか?
ダーシャン:これまで本当に大変だった。しんどかった・・・・
平本:この先、どうしていきたいですか?
ダーシャン:仕事漬けではなく、自然と触れ合いながら体を動かす・・・そんな毎日を送りたいです。大好きな下田に今住んでいる家とは別の家を建ててスローライフを送りたい。そして、社会や子どもたちのために、何か貢献したいと思います。
平本がダーシャンさんの未来をさらに別の角度から引き出していきます。すると、ダーシャンさんは「未来のイメージ」として、なんとヒマラヤに立つ自分の姿を見つけます。全速力で猛烈に駆け抜けてきたダーシャンさんから飛び出した、未来のイメージ。平本は、さらに深く問い続けます。
「少し、ヒマラヤに立つ自分を想像して、目を閉じて、感じてみて」
ダーシャンさんは顎を上げ、真直ぐ未来に向かってイメージを深めます。静かな時間とゆったりとした空気があたりを包み込んでいくのを感じた平本が「胸に手を当てて、その気分を味わってみて」と声をかけると、ダーシャンさんがそっと自分の胸に手を当て、「未来」を「今ここで」感じます。
数分間、何の物音もない時空の中で、ダーシャンさんはヒマラヤに立っていました・・・
平本:どんな気分で、何を感じますか?
ダーシャン:静かな気分で、Peace(=平和)を感じます。
心からPeaceを感じたダーシャンさんの目には、うっすらと涙が浮かんでいました。そして、力強くコミットしたのです。
ダーシャン:この未来に向けた一歩として、私は会社を売却します。

